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Kiss Again and Again
第17章 別れのとき

 そのまま電車に乗り なんだか浮き足立って買い物をし わたしの部屋に落ち着いた。 多分 三人とも 最後のお泊り会になるかもしれない、と思っている。

 「料理は じゅんに任せるから。 私は お嬢とお勉強する」
 「わぁ ありがとう ほのっ。 じゅん 後で手伝うから」
 「あゆは 片付けだけでいい」

 そんなことないのに。 少しは お料理だって手伝えると思います。

 「ここのところ。 感情移入が強くて。 もっと論文調にならないかなぁ」
 パソコンをしばらく見ていたほのかちゃん。
 「あゆの可愛い化けの皮が剥がれているね」
 「えっ・・・ だめ?」
 「そーゆーことじゃあなくて。 あゆちゃんは 可愛いだけの女の子ではなかった、っていうこと。 残酷な文学少女だってこと」
 「じゃあ 冷徹な文学少女にみえるように 手直し 手伝って」
 「凡人は 生きる価値なし、って 論じればいいの?」
 「そんなこと 書いてる?」
 「凡人は 細々と地味に生きてゆけばいいよ、に書き換えよう」
 「もうっ 論理的な文章にしたいの」

 「単語の書き換えだけで 充分だと思うよ」
 ほのかちゃんは 幾つかの単語を 学術的な単語に置き換えてくれた。
 「はぁ・・・ やっぱり ほのはすごいねぇ・・・ 一気に論文調になっちゃった」
 「残酷さも どーにかごまかせたよ」
 「そんなに 残酷?」
 「これを 誰に向かって言っているかを考えると 非常に残酷ですね」

 そんな風に 考えるのだとしたら 純子ちゃんに見せなくてよかった。

 サバンナで トムソンガレルの群れに飛び込む日常より 氷点下の山頂を目指す無謀さを選ぶ豹がいたっていいじゃあない。 特別って そういうことでしょう?

 頂上を極めれば 生きてサバンナにもどることはできないかもしれない。 でも 輝いていられる時間なんて とんでもなく短い。 特別なものでさえ 特別でい続けることはできないのに。

 そのこと自体が 残酷でしょう?

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