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Kiss Again and Again
第18章 再 会


 樹さんは 結婚式に出席しなかった。
 隣のテーブルには ひとつ 席が空いている。



 純子ちゃんは とてもきれいだった。
 白打掛は うりざね顔の純子ちゃんに とてもよく似合った。 真っ赤な紅を塗った唇がかすかに微笑み 幸せそうで ほのかちゃんでさえ 涙ぐんでいた。

 ほのかちゃんは わたしのドレスを見ると 「あゆちゃん ご乱心」といい レースのグローブの手をとり 「顔色が悪いけど 大丈夫? チーク 持ってる?」

 赤いドレスを着ているのに 顔色が悪くみえるなんて・・・

 ほのかちゃんにチークを借りて 化粧室へ行った。
 鏡の中には 蒼ざめて小さく見える見知らぬ顔があった。

 朝までの幸福感は どこにいったのだろう・・・


 赤いブラとパンティ、ガーターベルトにストッキング。 ストッキングを留めるときには 歓びで指が強張り なかなか位置が決められなかった。 そして合わせて買った赤いスリップ。 緋色のドレス。 ファスナーを上げるときには これが降ろされるときを想像して 高揚感でため息がでた。

 目を閉じると めまいがする。
 しっかりしなくては。 純子ちゃんのお祝いの席なのに こんな顔をして。
 笑わなくては。 笑わなくては。 できる・・・ きっとできる。


 化粧室を出ると 自分が どっちから来たのかわからなくなっていた。 少し迷って 披露宴会場へ戻った。
 「あゆ・・・」
 ほのかちゃんは 痛々しいものをみるようにわたしを見つめる。
 「チークありがとう。 ましになった? ちょっと迷っちゃって」

 笑える。 大丈夫。

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