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Kiss Again and Again
第18章 再 会

 純子ちゃんのご両親は 老いても尚、美貌だった。
 お父さんは 樹さんも年を重ねればこんな風になるのだろう、と思えるほど 樹さんによく似ていた。 樹さんの茶色い髪や目の色は お母さん譲りなのかもしれない。 わたしは 樹さんに話しかけるように 心の中で ひっそり言葉を紡いだ。

 和装のお色直しがなかったせいか ドレスは 白、若草色、赤と 三回お色直しがあった。 どの姿もとても綺麗で わたしとほのかちゃんは 拍手しながら 何度も涙ぐんだ。

 白いドレスの時に ケーキカットがあり ほのかちゃんと新郎新婦の席まで行き お祝いの言葉を伝え 4人で写真を撮った。
 「今の写真 私にも送っておいてね」と、純子ちゃん。
 「もちろん」
 「イヤというほど 送っちゃう」

 高田さんも純子ちゃんも 無口な方だけど 終始にこにこしている。 幸せそう。


 最後のキャンドルサービスで わたし達の席に来ると 赤いドレスを着ている純子ちゃんは 持っていたブーケをわたしの前に置いた。

 赤い胡蝶蘭だった。 初めてみる色の赤い胡蝶蘭。

 泣き笑いをしているわたしに 純子ちゃんは 寂しそうに笑いかけた。
 「たつにぃから・・・」
 そう聞こえたような気がしたけれど 同じテーブルの人達からのお祝いの言葉の嵐で 聞き取れなかった。

 新郎新婦が 他のテーブルに移った後で
 「このお花 もらっていいのかしら・・・?」
 「そうでしょう? 真っ赤なドレスを着た泣き虫さんへの贈り物なんじゃあないの?」

 樹さんから?

 大きな悲しみが 怒りという姿に変身し 赤い胡蝶蘭を 隣のテーブルの空いた席に投げつけたい衝動が噴きあがってきた。

 ひどいっ 酷いおとこ!!! なんてことを・・・ こんなひどいこと・・・

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