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Kiss Again and Again
第18章 再 会

 海は 殊勝な顔をして 病院の待合席で待っていてくれた。

 「こんなに長い時間 待っててくださったの? ごめんなさい。 そして 本当にありがとうございます。 肺炎みたいです。 入院だって言われました」
 「じゃあ 一度帰って 入院の支度をして また来る?」
 「これから 点滴するみたい。 だから 海は もう帰ってください」
 「待っているから。 点滴のあと 一度 マンションまで送って行くよ」

 海は 嘘も迷いもなく 心から 心配してくれている。
 弱っている気持ちが ぐらりと傾いた。

 「あのね・・・ 入院は いやなの・・・ 入院したくない。 連れて帰って・・・」
 「えっ・・・ そんなこと・・・ できないよ」
 「・・・いやなの。 入院は いや」

 入院するのは ダンス教室で乱暴されかけて脳震盪をおこした時以来だ。 病室に閉じ込められて あの記憶が呼び覚まされるのは いや。

 「おねがい・・・ 入院はしたくない・・・ 連れて帰ってください」
 「でも 肺炎だって 死ぬこともあるんだよ」
 「入院は いや」

 一度口にすると 言い張ることができた。
 海は 大きなタメ息をつき
 「こんな時に あゆが 珍しくゴネるなんて。 理由があるの?」

 言わないと だめよね・・・

 「前に入院したのが・・・ 乱暴されかけた時だったから・・・」
 海は わたしの手を強く握り締めた。
 「うん。 わかった。 じゃあ 点滴が終わったら 医者と話してみよう。 大丈夫だよ。 きっと大丈夫だから」

 同じ時間を過ごした、ということが こんなことに役立つなんて。

 点滴をしてもらうと 意外なくらい元気になったような気がした。
 海は 自分が責任をもって 毎日 診察と点滴に連れてくるから、と申し出てくれて わたしは入院をまぬがれた。



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