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Kiss Again and Again
第18章 再 会

 「グラタン 食べる?」
 「あ・・・ あなたは 何か食べましたか?」
 「いや・・・ 一緒に食べようと思って」
 時計を見ると 4時をまわっている。
 「いろいろ・・・ 本当にありがとうございます」
 「”ありがとう”は何度も聞いたよ。 好きでやっているのだから これ以上言わなくていい。 それよりも 何か食べよう」

 海は コンビニで買って来たらしい二人分のグラタンを温めてくれた。 味がわからず 半分ほどしか食べられなかった。 冷蔵庫からフルーツを取り出すと
 「熱が高かったんだから ビタミンを摂っておいた方がいい」
 中皿を出し 取り分けてくれた。 わたしが残したグラタンを 海は当たり前のように食べてしまった。 こんなことはおかしい、と思いながら どう言えばいいのかわからなかった。

 処方箋を読みながら 薬を手渡してくれる。 保護者のように コップに注いだ水も差し出す。 何も言わずに 従った。

 この部屋で どれだけ多くの時間を この人と過ごしただろう。 多分 海と一緒にいた時間が 他の誰よりも多い。 それは かって観たことのある恋愛映画のような思い出だけど 今は なんの感動も呼び起こしてくれない。


 「あゆ・・・ 捨てたの?」
 「えっ・・・?」
 「あの・・・ 下着・・・ 捨てたの?」

 あっ・・・ 赤い下着と ガーター用のストッキング。 捨てた。 もう必要のないものだから。 見たら 惨めになるし。

 「ごめん・・・ 見るつもりじゃあなかったんだけど・・・ ゴミ箱にキレイな紙袋が捨ててあったから。 あゆが間違って 何か大事なものを捨てたんじゃあないかと思って 開けてみたんだ」

 「そうです。 捨てました。 でも あなたには関係ないことだから 何も言わないで。 何も聞かないで」

 この二日間で 自分の意思でした唯一のことが 樹さんからもらった下着を捨てたこと。 樹さんを歓ばせようと買った下着を捨てたこと。

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