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Kiss Again and Again
第18章 再 会

 「横になった方がいいよ」
 「こんなによくしていただいて 追い出すようで・・・心苦しいのですが もう 帰ってください」
 「そうだね。 あゆが眠ったら 帰るよ」

 海が テーブルの上を片付けるのをしばらく眺め 仕方なくベッドに戻った。 眠くはない。 でも このまま きっと 眠る。

 「診察券 持って帰るね。 明日 来る前に出しておく」
 「明日は 一人で行けるので そんなことしないで」
 「約束 聞いてたでしょう? 僕が 責任をもって 連れて行くって」
 「責任、だなんて。 誰と来たかなんて 病院の人にはわからないから」
 「もう 午前中は休むって 会社には連絡した」
 「そんなこと・・・ もうしないで」
 「無駄だよ、何度断っても。 もう決めているから」


 「あゆ・・・ 隣に横になってもいい? 何もしないから」

 見上げると 海も疲れているようにみえる。 これらの時間をつくるために きっと無理をさせたはずだ。 黙って 身体を壁に寄せた。 必ず「何もしない」と断るけど 海が 何かするとかは思っていない。 ただ こんな風に 親しげな時間を過ごしたくない。 

 海は 横になると わたしの肩に頭をくっつけた。
 「熱が下がらなかったら 入院しないとだめだよ」

 しばらくすると 海の寝息が聞こえてきた。

 疲れているのかしら? そう思うと 不思議に慈しみの気持ちが湧いた。 起き上がり ラブチェアの中から毛布を取り出し 海にかけた。 それでも起きる様子がない。 

 肺炎のせいで胸が痛苦しく 高熱で身体がだるいせいか 解熱剤のためか 奇妙に足の痛みは感じなかった。 他に一大事があると もうひとつの一大事は それほど感じないものなのかしら? 本来は 海がベッドで隣にいることなんか 信じられない出来事のはずなのに なんだか 麻痺している。

 お布団にもぐりこむと 眠くなかったのに また眠ってしまった。


 目が醒めると 部屋は暗くなっており 海はいなくなっていた。

 胡蝶蘭を差したボゥルを重しにして コンビニのビニール袋にマジックでメモが残されていた。

 「カギはドアポスト
  明日は8時半に
  迎えにきます」

 どうすればいいのか まったくわからなかった。


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