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Kiss Again and Again
第19章 恋愛事情

 朝 目が覚めたら いつものように壁にくっついて ひとりだった。
 あれは 夢だったのだろうか?

 海は こちらに背をむけて 静かに眠っている。

 枕のない 平坦なシーツの上に 短い髪の毛が落ちている。 わたしのものじゃあない。 海の髪の毛だ。 やっぱり昨夜 隣に入ってきたのだ。

 「いつも 誰かの分 空けているの?」

 夢かと思った。 後ろから ゆるく抱きしめ 海がつぶやいた。

 そっかぁ・・・ 気がつかなかった。 隣に ひとり分 空けていたんだ。 ともに眠る人なんていないのに。


 コーヒーの香りに誘われて 目が覚めたようだ。
 「おはよう・・・ いいにおい・・・」
 「コーヒー 飲みますか?」
 「うん。 ありがとう。 また迷惑かけちゃって」
 「それが本心であることを祈りたいです。 もうあんなことはしないと約束してください」

 思わず 海に向かって 小指を立てようとして 慌てて手を引っ込めた。
 なに やってんだか。
 なんだか 海に対して 警戒心がゆるくなっている。 一緒に 朝のコーヒーを飲むことが 特別でなくなってしまったような。

 「りんご 剝きますか?」
 「それと ゆで卵?」

 この人は 憶えているんだ。
 「全部 憶えているよ。 あゆと過ごした幸せな時間は」

 初めて海と結ばれたとき 朝食が ゆで卵とりんごだった。
 「卵は ありません」

 「それは 嘘でしょう? 昨日 冷蔵庫を開けたときに 卵は確認済み」
 笑っている。

 こんなことでは 何も動き出さない。
 しっかりしなくては。

 「ゆで卵が食べたいのですか?」
 「ううん。 コーヒーだけで」


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