この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Kiss Again and Again
第20章 初 冬

 「ニュースで言っていたよ。 通行止めは当分解除されないみたいだね。 別なルートで帰ろう」
 「遠回りになりますか?」
 「うん。 でも 他にも寄りたいところがあるから 観光もして帰ろう。 一時はどうなることかと思ったけど どうにかなったね」

 歯磨きをしたのに 鮎の甘露煮をつまみにビールを飲んでいる。 以前より おじさんっぽい? 差し出された飲みかけの缶ビールを わたしも飲んだ。

 海は 枕の上の棚にビールを置き 鮎の甘露煮を片付けると 洗面所に行き 口をすすいでいた。 ベッドに戻ると ごろりと横になり テレビをつけた。

 「普通に 映画とかもやっているみたいだよ」
 チャンネルを変えると さっきのような画面が映し出された。 にぎやかな声がする。
 「あゆと これを観るのも楽しいんだけど」
 「お断りします」
 「ん、残念。 ほら 日本映画だけど」
 「じゃあ そのままで」
 「あゆも ここにおいで」 ベッドをたたく。
 「そこは 特等席でしょう? ナポリタンを作ってくださった方用じゃあないの?」
 「その方は もうお休みになられたようです。 何もしないから ここに来て」

 1ヶ月前だったら 絶対にしないのに わたしは海の胸の前に 離れて横になった。

 映画は 親子愛がテーマのものだった。

 海が 髪の中に 顔をうずめてささやいた。
 「下着 洗ったんだ」
 「・・・」
 「じゃあ この下は 何も着ていない?」
 急いで起き上がった。 確かに ホテルのバスローブの他には 何も着ていないけど。
 「そんなに こわがらないで」
 「・・・」
 「怖い顔して 睨まないで」
 「睨んでいるわけじゃあないけど。 誘惑するつもりはありませんから」
 海は 笑った。
 「誘惑してほしいなぁ」

 海は 膝までにじり寄って 頭をのせた。 後ろへと退がる。
 「それ以上退がると ベッドから落ちるよ」
 膝に頭をのせたまま 腰を抱きしめる。
 「これが あなたの ”何もしない”ですか?」
 「何もしてないよ。 膝枕は だめ?」
 「だめ」
 「ちょっと だけ。 ちょっとでも だめ?」
 「だめ」
 海の肩を押した。 勢いよく ひっくり返ると
 「だめかぁ・・・ きらわれてるかぁ・・・」

 キライじゃあない。 でも 無理。 こんなのは 無理。

/464ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ