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Kiss Again and Again
第20章 初 冬

 これは 夢? 夢をみているの?

 腋の下をくぐらせた腕が 頭を持ち上げ 唇が押し付けられる。 こんな風に力強く扱われるのは久しぶりだ。 こんな風に抗えないように求められるのは久しぶり。 女として存在していると感じることができる。 誰かのために女でありたい、それを満たしてくれる。

 「これは 夢?」
 「そう。 夢をみているんだ」
 「それなのに あなたは笑っていないの?」
 「笑っているよ」

 いいえ。 かなしそう・・・

 「ここで寝てもいいから なにもしないで」
 「ここで こうして なにもしない・・・?」

 抱きしめてもらえる、それが 今 必要・・・ それが 海でも。



 未だに 樹さんへの愛が とてつもない重量感で 心を占めている。 封じ込め 見ない振りをしても 必ずそこにある。 この愛があるから 苦しい。

 ここに わたしからの愛を懇願する人がいる。
 この閉じ込めきれない愛を この人に注ぎ込めたら 楽になる?

 ばかばかしい・・・

 この終末がみえない愛の行く先を 決めることができれば・・・

 愚かな選択を しようとしている?

 でも ここから 動き出せる?

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