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Kiss Again and Again
第20章 初 冬

 夜中に 目が醒めた。 どうして目が醒めたのか 考えてみた。 何か 違和感を感じる。

 「海・・・? おきてるの?」
 「う・・・ う・・・」
 「海? どうかしたの?」
 「う・・・ あ・・・ゆ・・・」
 「海? 大丈夫?」
 「う・・・ 寒気がして・・・」
 ベッドを降りて 海のお布団を覗いた。 胸の前で腕を組み 肩の辺りには力が入っている。
 「寒いの? あんな格好でいるから」
 「う・・・ 寒い・・・」

 歯がカチカチと音をたてている。 額に手を当ててみたが 熱はないようだ。 それどころか冷たい。 急いで白いパーカーを着せた。 下も何かを着せたいが まさかスーツのズボンをはかせるわけにはいかないし。
 「海 ベッドで一緒に寝る?」
 何を 言っているの!?
 「そうすると 少しは温かいかも」

 海 断って。

 「ありがとう」

 ありがとう?
 あなたが あの時してくれたことは もっと沢山だった。 もっと思いやりに溢れていた。 わたしは ダメダメ女だ。 優先順位が間違っている。

 隣で身体を震わせている海を 精一杯抱きしめ 温まるように擦った。 富士山に行った時 甘酒を飲みながら海がしてくれたように。 そうすることは 慈愛を伴った行為なのだと 自分でやってみてわかった。
 海の身体は冷たく 時々震えた。
 「バチがあたった」

 何の罰? セックスしたこと?

 海の髪からは 病人の匂いがした。

 
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