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Kiss Again and Again
第1章 高校生活
 消えて なくなってしましたかった。

 開いた本の上に 音をたてて 涙が落ちた。

 涙って こんなに大きいんだ・・・

 図書館の本だと気がついて 大急ぎで こすった。
 本を閉じても 涙は 落ち続けた。

 とても苦しくて とても悲しくて とても胸がいたかった。

 話したこともないのに
 安部くんが わたしのことを知っているかどうかさえわからないのに
 勝手に傷ついていることが もっとつらかった。


 二人がいなくなっても 涙は落ち続けた。


 目を真っ赤にして帰ってきたわたしをみて
 「どした?」 おかあさんが聞いた。
 「うん。失恋かな」
 「そっか」

 おかあさんは プリンを作ってくれた。
 「100パーセント 栄養だから」
 まだ冷めていない生温かいプリンを 泣きながら食べた。

 「明日の分もあるよ」

 明日も 生きていかなくてはいけないのだ、と思った。



 今まで ささやかな喜びだったことが すべて苦しみに変わった。
 安部周人くんと すれ違うこと。 
 安部周人くんの 声を聞くこと。
 安部周人くんと 同じ空間で息をすること。


 ここで どうやって成長していけばいいのか、さえ わからなくなった。


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