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女優
第1章 転身
部屋に入ると、
すでにカメラマンと監督がスタンバイしていた。
マネージャーから聞いていた話では
この映画の監督は巷で有名な
新鋭の女性監督ということであったが、
「私が監督の押本です」と名乗り出たのは
髭面の冴えないオヤジだった。
「女性監督だったのじゃありませんか?」
そう言うと、
「あ~彼女は降りました。
ギャラが折り合わなかったのです」
私は安いギャラでも引き受けましたけどね。
と言って 髭面の冴えないオヤジは卑屈に笑った。
さあ、部屋代がもったいないから
さっさと撮ってしまいましょうと
バスタオルを手渡された。
「こ、これって…」
戸惑っていると、
「濡れ場を撮るのに
シャワーも浴びないつもりですか」と
バスルームからマッチョな男が姿を現した。
「きゃあ!!」
マッチョ男はタオルで前を隠そうともせず
男性自身をブラブラさせながら
愛子の横をすり抜けた。
「お先にシャワーを使わせていただきましたよ」
そう言いながらマッチョは
全裸でベッドに寝転んだ。
「ま、前張りなし ですか?」
そうマッチョに言うと
「今時、前張りなんかして
撮影したりしないですよ」と
小馬鹿にしたように笑った。
と、とんでもない!!
アンダーヘヤーも、すべて見られるなんて
とんでもない話だわ!