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女優
第1章 転身
私、この映画、降板させていただきます!!
そう言って帰りかけた愛子の耳元へ
マネージャーの臼杵が
「そんなことしたら
違約金が発生しちまうだろが!
この仕事を取ってきた私と会社に
泥を塗るつもりか!!」と
小声ではあるがドスのきいた声で愛子を叱った。
そんな二人のやり取りを遮断するかのように
「これだから元アイドルとかいう奴と
仕事をするのはイヤなんだよなあ」 と
ベッドのマッチョ男はふてくされた。
「バカにしないで!
与えられた仕事はちゃんとやるわ!!」
そう言うと愛子はマネージャーの手から
バスタオルを奪い取ると
バスルームに駆け込んだ。
熱い湯の放射を体に浴びながら、
このまま溶けて消えてしまいたいと思った。
シャボンにまみれた乳房をそっと揉んでみた。
こんなふうにあのマッチョに
胸をまさぐられるのだろうか…
恋愛禁止のアイドルグループに
所属していたとはいえ、
愛子はバージンではなかった。
初体験は中2の冬だった。
当時、学年がひとつ上の先輩と付き合っていた。
早熟で大人びた愛子からしてみれば、
少年の面影を残す先輩とのお付き合いは
周りから見てみればしっかり者の姉と
だらしない弟が
じゃれあっているかのようだったろう。
そんな彼が卒業を迎えるとともに
愛子にオーディション合格の通知が届いた。