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女優
第8章 第三部 序章~ネットカフェにて~
AV転身には抵抗があった。
アイドルグループのセンターを務めたという
プライドがあった。
だが60分という出演にしては破格のギャラと
「AVといえども飯島愛さんのような
ステータスを手に入れることも可能なんだしさ」
という事務所にうまく言いくるめられて
現在に至る。
この仕事が嫌いなわけではない。
いや、どちらかというとSEXは好きだし、
好みの男優さんとの絡みは興奮できた。
だがAVに馴染めば馴染むほど
表舞台からの露出が減ってきたのも事実だ。
愛子は『画像』を閉じ、
本来の目的であるエゴサを始めた。
エゴサ、つまりエゴサーチで
自分自身が世間から
どのような評価を受けているのか
知っておきたかった。
高評価のコメントもあれば辛辣な意見もあった。
『可愛いけど演技が下手』
『裏モノでなきゃちんぽが萎えてしまう』
『もういい年齢だからAV嬢としてはムリ』
見ず知らずの奴らに
めちゃくちゃに言われて愛子は凹んだ。
「エゴサーチなんてするんじゃなかったわ」
愛子は沈んだ気持ちで
ネットカフェのブースから抜け出した。

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