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抱き屋~禁断人妻と恋人会瀬
第10章 花守乙帆 39歳⑧愛され拘束妻
 五本の指を開いては、熊手のように指の腹で引っ掻いては閉じるを繰り返す。

 開脚する足の付け根から、恥毛の茂みを通り、大陰唇へ落ちていく。

 そのたび、乙帆はブルッと背筋を震わせた。深く長いため息をつき始め、身体が甘く汗ばんでくる。

 頃合いを見て、佐伯は手で撫でるのを止めた。身体も離されると、乙帆は目隠ししたまま、不安そうに左右を見回した。

「あなた…?」

 佐伯は立ち上がって、放置された乙帆の様子を見下ろした。

 佐伯が支えを放すと、両手首と足首を縛られた乙帆は、お尻で重心を取らなくてはならなくなった。まるで揺りかごのように前後に揺れた。

 こうしてみると、狩りの獲物のように自由を奪われた乙帆は、香しい肉の生け贄である。

「んぐうっ…!」

 佐伯はいきなり、その唇を奪った。突然、唇を貪られて乙帆は、余程びっくりしたようだ。呼吸が浅く乱れている。

 またふいに唇を解放すると、餌を求めるひなのように、舌を出してあえいだ。視覚と身体的自由。

 今、乙帆は二つの自由を奪われ、感覚を『受ける』だけの存在になりつつある。

 確かにこのプレイは、女性の性感を開発するのには、有効だ。男性が視覚から性的興奮を得るのとは異なり、どちらかと言えば女性は皮膚感覚や触覚から性的興奮を得やすいのだと言う。
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