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抱き屋~禁断人妻と恋人会瀬
第3章 花守乙帆 39歳①特濃フェロモン妻
「ずっとつけていたんですよね?」

 佐伯は尋ねると、ローターの汚れを嗅いでみた。心なしか、まだ乙帆の生々しい匂いがする。

「これは強烈だな…目に沁みる」

「いやっ、嗅がないで!」

「ちゃんとパンツに入れてましたか?」

 実はショーツの股布の裏にはポケットがついていて、ローターはここへ収納できる仕組みになっていたのである。

「はい、前回佐伯さんに言われた通りに。…なんでも佐伯さんの言うことを聞けと、主人に言われていましたから」

「ご主人が亡くなってから、オナニーは?」

「たまに。…どうしても寂しくなったときだけですけど、寝床の中で」

「今日、僕に会うまでは、どうでしたか?」

「毎晩…しました。だってずっと、こんなものをつけて、お仕事しろって命令されてたから…」

 乙帆は落ち着かなそうにまた、膝頭を擦り合わせた。

「毎回のずりネタを教えてください」

「いやっ…」

 佐伯の露骨な質問に、乙帆はついに堪えられなくなったようだ。

「言えません…!そんなこと。恥ずかしくて…」

「大丈夫ですよ。今日から、僕と奥さんの二人きりですから。…普段、人前で言えないことを思いきり言うと、すっきりしますよ。さあ、勇気を出してみて」

 と言うと佐伯はゆっくり、乙帆の太ももを擦った。
 実にいやらしい、触り方だ。円を描くようにゆっくり、時に爪を立てて、肉をついばむように。さながら苦痛に堪えるように、乙帆は背筋を強張らせていたが、はっきりと拒絶する様子を見せない。

「いやあ…やめてえ…!」

「やめてほしかったら、話してください。すっきりしますよ」

 長い髪を掻き分けて佐伯は指で、乙帆の耳の穴をくすぐった。成熟した女の髪の匂いを味わい、軽く耳たぶに歯を当てる。そこから首筋まで舐め下りたり、襟足を舌でくすぐったりすると、乙帆は堪えきれなくなったように声を高くした。

「佐伯さんとのこと…この前のセックスです!…前回ホテルで、朝まで一緒にいて下さった…乙帆が帰りたくなくて、お泊まりに変更したあの日のことです…!」

「よく出来ましたね」

「いやあ、辱しめないで…」

 乙帆は羞恥で、小刻みに震えていた。前回の交わりで佐伯は知っていた。乙帆は人一倍、体臭が濃い、と。羞恥で興奮して、血の気が上ったりすると、その女臭はより強く、より長く立ち籠めるのである。
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