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抱き屋~禁断人妻と恋人会瀬
第4章 花守乙帆 39歳②泥酔お漏らし露出妻
 お風呂のあとは、すぐに夕食になった。地魚の刺し身盛りから、アワビのステーキ、蛤の酒蒸しに津蟹の味噌汁、と海辺の旅館ならではのご馳走が並んだ。

「お酒はいける口ですか?」

 と佐伯が言うと、嬉しそうにうなずきながら乙帆は先にお酌をしてくれた。

「お酒、好きな方なんです。あまり強くはないんですけど。…普段は仕事柄控えてますが、日本酒も好きです」

 返盃すると、乙帆はくいくいと日本酒を空けた。これはかなり、思ったよりもいける口である。

「来てよかったです、佐伯さん。…わたし、男の人とセックスして、あんなエッチな気持ちになったの初めてでした…」

 瞳に妖しい潤いを帯びてきた乙帆は、セックスの話題も恥ずかしがらずに口にする。しどけなく乱れた浴衣の胸元からは、はちきれそうな谷間が丸見えだ。

「あん…佐伯さん、どこ見てるんですか…」

 乙帆は佐伯の視線に気づいたが、特に咎めるような口調ではない。どこか熱に浮かされたような、熱っぽい話し方である。

「男性にしつこく求められるのも、悪くないでしょう?」

 佐伯は乙帆との物理的な距離を詰めながら、囁いた。

「はい…まだ、恥ずかしいですけど…男の方に、わたしのこと女だと思われているのって、やっぱり嬉しいです」

 乙帆はふんにゃりと微笑んだ。吐息に甘いアルコールの臭いが混じり、酔ってきたことが見て分かる。
 飲むペースも早いし、普段は飲酒量を抑えているせいもあるのだろう。佐伯が抱き締められるほどに近づいても、まったく警戒しない。

「乙帆さん、綺麗ですよ。…これからはもっと男の人に、積極的になってもいいんじゃないですか?」

「ええっ…でもいいんでしょうか…わたし、この年ですし、子供もいますし…男の人は、もっと若い子の方がいいんじゃないかと思いますし…」

「最近は若い子も、年の差なんて気にしないそうですよ。むしろ、年上の女性に甘えたいと思う子も多いと聞きますし。それに乙帆さんのことみて、エロいと思う男は実際、沢山いるじゃないですか。息子さんでも残り香でオナニーしちゃうぐらいなんだから」

 話を妖しい方向へ傾けると、乙帆は恥ずかしそうにうつむいた。

「それは…わたしが匂うから…やだ、なんかわたしが、誘っているみたい…」

 乙帆はもじもじと、浴衣の膝頭を擦り合わせ始めた。湯上がりの肌の匂いもまた、そそる香りだ。
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