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ネットのプリンス
第4章 不感症の女
「わかりました、では、単刀直入にお話しをしましょう。
私は少なからずSEXは得意だと自負してます、
きっとあなたをイかせてあげれると思います」
『ほんとですか? お願いします、一度でいいんです。
一度でいいから絶頂というものを教えていただきたいんです』
週刊誌などの情報で
絶頂という感覚が興味深く書かれている昨今なのだ。
そのような感覚にならない自分は
女性として欠陥なのではないかという不安に苛まれているのだろう。
女性とは土曜日のお昼前に
お互いにとって都合のよい駅前で落ち合うことにした。
『彼女、ベージュのダウンコートを着てくると言っていたな‥‥』
改札口から出てくる女性を探していると
待ち合わせ時間丁度に
お目当てのダウンコートを着たスレンダーな女性がいた。
歳のころは20代半ば頃だろう。
間違いない、彼女だ。
さりげなく彼女の横に立ち、
歩調を合わせて歩きながら
「こんにちは、ネットの男です」と囁いた