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ネットのプリンス
第4章 不感症の女
ラブホテルのロビーで
洋介は彼女に 好みの部屋はあるかと問うてみた。
「どこでもいいです」
まるで蚊の鳴くようなか細い声だった。
やれやれ、食事でリラックスしてくれたものの
ラブホのエントランスに入った途端に元の木阿弥か‥‥
洋介自身はSMルームに非常に興味を抱いたが、 今回はおとなしくてパステル調のオーソドックスな部屋を選んだ。
本来ならば部屋に入った途端、
本能むき出しでベッドに押し倒して
一戦を交えるところだが、
こんなに緊張していては
抱かれるという感覚よりも
レイプされているという感覚になるかもしれないと思い自重した。
「なにか飲みますか?」
いえ、けっこうですと拒む彼女の声を無視して
グラスにビールを注いだ。
食事でワインを少したしなんだが、
もう少しアルコールを飲んでリラックスしてくれたほうがいいと思った。
「乾杯」
何に対しての乾杯なのか意味もなく
二人はグラスをカチンと鳴らした。
さりげなく肩を抱くと、
彼女の身体はビクッと震えた。