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ネットのプリンス
第6章 秘書の女
さて・・・
このカードキーの女性とはどんな人物なのだろう。
仮に彼女が俺を気に入ってくれたとして、
もし彼女がひどい醜女で
淫気が失せて勃起することが出来ずに
事に及ぶことが未遂の場合はどうなるのだろう・・・
その時も損失補填は有効なのだろうか・・・
もっと契約を密に交わしておけばよかったと後悔した。
とりあえず、当たって砕けろだ・・・
洋介は意を決すると、カードキーを手に、
エレベーターに乗り込んだ。
カードキーに記入されている部屋番号は
すぐに見つかった。
この部屋の右隣には女社長がいる・・・
『社長のおっしゃられていた彼女のお目にかないませんでした・・・』
そうウソをついて
女社長の部屋で彼女の体を思う存分味わってトンズラするか・・・
そんな姑息な考えも一瞬頭をよぎったが、
ネットでの交渉は信用問題が第一だ。
こんな姑息なウソはすぐにばれて、
洋介の掲示板には女社長からの罵詈雑言が
どんどん書き込まれるだろう。
それを読んだ閲覧者からは、
もう信用されずに抱いてほしいという依頼などなくなり
掲示板は閑古鳥が鳴く状態になるのは目に見えていた。

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