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ネットのプリンス
第6章 秘書の女
マイナス思考はやめよう・・・
もしかしたら社長が抱けと
命じてくれた女性というのが
とびっきりの美女かもしれないのだから・・・
覚悟を決めてカードキーの部屋のインターホンを押す・・・
「はい・・・」
蚊の鳴くような小さな声の返答があった・・・
「あの・・・社長に命じられて、
この部屋を訪問するようにと・・・」
心臓が早鐘のように打ち始めた。
「どうぞ・・・」
そう返答があって静寂が訪れた。
カードキーを用いて入室してこいという意思表示だと気付き、
洋介はドアノブ上部の差込口にカードを差し込んだ・・・・
静かにドアを開けて部屋に入ると、
彼女は背を向けてベッドに腰掛けていた。
「あの・・・お聞きかと思いますが、
社長のご用命で・・・」
そう話しかけると
彼女は下を向いて固まってしまった。
「そう緊張なさらずに・・・
とにかくお話でも・・・」
彼女の向かい側に回り込み、
ツインのベッドに腰を下ろして
彼女と対面に座った。
女性はおずおずと顔を上げた。
「あっ!!」
おもわず洋介は驚きの声をあげた。
「あなた・・・
やっぱり洋介・・・さん・・・だったのね」
ドアのインターホンの声を聴いたときに、
なんともいえないデジャブ感に見舞われたのは
やっぱり錯覚ではなかった。