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猫探偵の恋
第3章 泥酔して寝るなんて by海
「えっ?
何これ?
夢じゃないの?」


色々な映像がフラッシュバックする。
全裸で絡み合う2人。

見つめ合いながら何度もキスする2人。



「お願い!
やめて?」


私は少し大きい声を出した。
滅多に大きい声を出すことがないから、
自分でもびっくりしてしまった。



「何?
どうしたの?」


「あの…
ごめんなさい。
私、酔っ払ってて。
状況判んなくて。
私がお持ち帰りしちゃったの?」


洋平さんが笑い出した。


「覚えてないの?」


私は頷いた。


「野良猫さんに食べ物、あげてた。
後は…覚えてない」


「ふーん。
そうなんだ。
酔っ払ってる女の子襲うのは、
フェアじゃないよね。
ごめん」


「今、何時?」


「1時半…かな?」


「大変!
猫にご飯あげなきゃ!
帰ります」


私はTシャツを整えて、バッグを斜め掛けすると、
慌てて部屋を出た。


「ごめんなさい」と言ってドアを閉めると、
急いでエレベーターのボタンを押した。


マンションの外に出て、
絶望的な気持ちになる。


方向音痴の私、
帰れる気がしないほど、
知らない風景だった。


洋平さんが後ろからそっと声を掛けた。


「こんな時間だから、近くまで送るよ?
どの辺り?」と笑う。


「さっきのライブハウスまで送ってくれる?
そしたら、帰れるから」と答えた。


ふらついてる私の手を握って、
歩き始めた。


「危ないから、手、
繋がせてね?」
そう言って、洋平さんは笑った。
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