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猫探偵の恋
第4章 ボス猫からの話 by洋平
「さっきは、ごめん。
キスしたら、なんかもう、
おかしくなってた。
よく、止まれたなと、自分を褒めてやりたいな」と笑うと、

「私もごめんなさい。
お部屋まで行って、
ベッドに居て…
あれじゃあ、してくださいって言ってるようなものなのに、
失礼なことをしてしまいました」と、
立ち止まって生真面目な顔をして、頭を下げた。

見たら、目に涙を浮かべてる。



「いやいや、酔っ払ってる女の子につけこむようなこと、
しなくて良かった。
一応、紳士…って言うイメージで売ってるからね?」と戯けて笑ったけど、
彼女の目からはポロポロと涙が落ちている。


俺はそっと彼女を抱き締めて、
髪を撫でて背中もポンポンとしてみた。

彼女は小刻みに震えている。


「一目惚れしたんだ。
初めて会ったのに、
一緒に居るイメージがたくさん見える。
こんなの初めてでさ。
良かったら、付き合って欲しい」


彼女は何も言わないから、
顔を上に向かせて瞳を覗き込むようにする。

お互いの瞳に吸い込まれるように、
そっと唇を合わせた。
小鳥が啄むようなキスをして、
額にもキスをしてから、もう一度抱き締めて、
彼女からの答えを待っていた。


そしたら、小さい声で、
「無理…」って言われたから、

「えっ?」と真顔で聞き返してしまった。
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