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猫探偵の恋
第1章 ライブハウスで会いましょう by海
猫みたいだ。

そう言われる私は、
すっかり恋愛とはご無沙汰なまま、
猫と暮らしている。

熊みたいな模様の小さいさび猫。
ゴミ捨て場にビニール袋に入れられて棄てられていた。
他の兄弟猫達は残念ながら既に息をしてなくて、
あまりにも可哀想で、
ペット霊園に連絡して火葬して、
寂しくないように集団墓地みたいな形式で埋葬して貰った。

生き残ったその仔は、
マロンという名前をつけて、
室内飼いすることにした。


私の仕事は、刺繍作家。
基本的に家の中で全て完結出来る仕事。

自宅で完全予約制の刺繍教室をする。
頼まれているお店に完成品を置いて販売する。
個展をして、オーダーで商品を承る。
特別な依頼でオリジナル商品を作る。
そして、時々フランスに材料を買い付けに行く。
合間にフランス語の翻訳や通訳をする。


これだけで、
取り敢えず女ひとりと猫は暮らしていけている。


アトリエ・マロン
という屋号で、
マロン先生と呼ばれている。
猫の名前と一緒。

マロンは本名からとったけど、
本名や年齢なんかは、ほとんど公表してない。


本名は、
栗田 海。

読み方は、
くりた まりん。

海って書いて、まりん。
今で言ったら、キラキラネームになるのかな?
当時は珍しかったと思うし、
よく、役所の人、OK出したと思う。

妙に説得力ある押しの強い母と、
フランス人の父が届け出したんだろうから、
まあ、良いかって思ったのかもしれない。

かい…って読まれて、
男だと勘違いされるのも、
悪くないと思ってる。

うみ…って呼ばれても、
面倒だから、訂正もしない。


本当に親しい人だけが、
まりんって呼ぶので構わないと思ってる。


親しい人とは、
普通に話もするけど、
知らない人には他人行儀。

嫌いな人とは、
話もしないし、
名前も顔も覚えられない。

だから、
会社員とかはとても無理で、
大学卒業して3年フランスで刺繍の修行をして帰国してから、
ずっとこの生活をしている。



猫っぽいと言われても、
否定は出来ない。

男性と付き合うのも面倒だ。
付き合うと途端に拘束される感じが嫌だから。


そんな私には、
ひとつだけ趣味があった。

ライブハウスで、
気に入ったバンドの生演奏を聴きながら、
飲んで踊って騒ぐこと。

最近、気に入ってるのは、
3人組のバンドだ。

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