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猫探偵の恋
第6章 初めての夜 by洋平
ライブの前日に電話をする。
留守電になってることが多いけど、
すぐに折り返しが来る。
電車に乗っていくような箱の時は、
家の前に迎えに行って、
箱の近くのカフェで出番まで待ってて貰う。
帰りは一緒に手を繋いで帰ると、
マリンの行きつけの店で飲む。
それがルーティンになった。

バンドのヤツには、
「彼女だ」って紹介した。

飲んでマンションまで送ると、
「お茶、飲んで行く?」と言ってくれる。

俺は尻尾を振っていたに違いない。
そのまま、手を繋いで部屋に行った。


女の子の部屋にしては、ガランとした印象。
白が基調の大きな部屋に、
木製の大きなテーブルと椅子があるリビング。
テレビもない。
ソファもないから、イチャイチャ出来ない。
大人しく座って、
アップルティーを飲んだ。

「シンプルな部屋だね?」

「ああ、ここはパブリックスペースだから」

「えっ?」

「刺繍の教室、ここでやってるから、
何も置いてないの」


「プライベートスペースは?」

「ごちゃごちゃだから、見せられない」

「見たいな?
まりんのプライベート」

「それって…
セックスしようって思ってる?」

「…したいよ?
勿論したいけど、
まりんが嫌ならしない」

「洋平さん、何歳?」

「誕生日がきたら、22歳。
今は、21歳」

「あのね、私、36歳なの。
おばさんだよ?
だから、とても寝れない。
付き合うのも無理って言ったのは、
そういうこと」

「36歳だと、セックス出来ないの?
関係ないでしょ?」

「あるもん。
洋平さんの周りには、
ピカピカの若い女の子、
たくさん居るでしょ?
ほら、さっきライブに来てたピンクの服のコなんて、
洋平さんにメロメロで、
なんでもして?って顔してた」

「他のコは、どうでも良いよ。
俺はまりんが好きだから。
まりんだから、抱きたいんだ」

「私なんて…」と俯いてしまうので、
俺は少しイラついてまりんの後ろに行って、
強く抱き締めて、
顔を自分の方に向かせてキスをした。


「寝室、どっち?
教えてくれないなら、ここの床の上でするよ?」と言うと、

「汗だくで、恥ずかしいから、ヤダ」と紅い顔をする。

「じゃあ、一緒にシャワー浴びる?」

「恥ずかしいから絶対に無理」

「じゃあ、先にシャワーしてきて?」と言うと、
頷いて廊下の方に行った。






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