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猫探偵の恋
第9章 再会は突然に by洋平
俺達がパリに挨拶に行く前に、
まりんの両親が東京に来る機会が出来た。

それで、まりんの両親と俺の家族、
バンドメンバーを集めて、
美和さんとレンくんが結婚式をやった同じ教会で結婚式をして、
レンくんのご両親のやってるレストランで会食をした。


まりんの両親は、すごく喜んでくれて、
いつでもパリに遊びに来て欲しいと言っていた。


「でも、暫く飛行機には乗れないの。
赤ちゃん、出来たから…」と、
まりんが俺にも言ってなかったことを突然言うから、
もう、心臓が飛び出るほどビックリしてしまった。


リョウが、
「ヤルことしてれば、
そりゃ出来るでしょ?」と言って、
さくらから頭をポカンと叩かれていた。
子供を抱いたさくらは、
すっかりリョウのことを尻に敷くしっかり者のお母さんになっている。

レンくんの隣で物凄く小さな赤ちゃんを抱く美和さんも、
聖母マリア様のようだ。

俺とまりんの間にも、
あんな風に可愛い子供が産まれると思ったら、
嬉しくて涙が出てきてしまった。


「あら!
洋平さんたら、泣いてるの?」と、
まりんがそっとレースのハンカチで目尻の辺りを拭いてくれる。

「嬉しくて…」と言ったけど、
言葉に詰まってしまった。






みんなに挨拶をして、
タクシーでまりんの家に帰る。
俺の部屋は引き払って、
ここに住んでいた。


「あっ!そうだ!
ちょっとだけお散歩しても良い?」

まりんはそう言って、
俺の腕に自分の腕を絡める。

「脚、大丈夫?
お腹とか、痛くない?」

「うん。
ちょっとそこまで…」と、
路地裏に向かうと、
あのボス猫が居た。



まりんはしゃがんでちゅ〜るをあげながら言った。

「ボス猫さん、ありがとう。
無事に洋平さんと再会出来ました。
結婚して、
赤ちゃんも授かったの」


「にゃー(そうか、良かったな)」


確かにそう聴こえた。


「にゃーにゃー(あとさ、マロンも妊娠してるんだ。
俺の子供だから頼んだよ)」


「えっ?だったらボスも、
うちのコになれば?」


「にゃん(そうだな。年寄りには外も辛いしな)」


そう言うと、ボス猫は俺の膝に乗っかってきた。
俺はそのまま、ボス猫を抱いて立ち上がった。


「にゃー。にゃん(ま、マロンも高齢出産でそんなにたくさんの仔猫は産めないと思うから、仔猫も宜しくな)」


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