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見えない男の淫乱物語
第9章 明人先輩

そんなことをいっているうちに、
研究室のドアがバタンと開き
「おや、聖子くん
どうやら目が醒めたようだね」
とユラユラと揺れるシルエットの塊がそう言った。
聖子も明人も聞き間違えるはずもなく、
それは明らかに村松教授の声だった。
『薬効が切れかけている!』
あと一回でも射精すれば元に戻るかもしれない、
明人は聖子に目配せをした。
それは教授を元に戻すために
セックスしてくれないか?と
伝えたかったのだと聖子も気づいた。
「それに隣にいるのは明人じゃないか
奇遇だねえ。
あ、そうか学園で私が声をかけたから、
私を思い出して
わざわざ訪ねてきてくれたのかい?」
穏やかに話して気をそらそうとしているのだろう、
そんなことを言いながらも幸太郎は
じわりじわりと
薬品の入っているフラスコに近づこうとしていた。
それを察知した明人が
すかさずフラスコを手に取ると背後に隠した。
「何をする!君はもうこのゼミの部外者だろ!
大人しくそいつを私に渡しなさい!
そしておとなしく出てゆきたまえ!」
温厚な教授からは
想像もつかないほど研究室の空気が
ビリビリと震えるほどの凄まじい声だった。

