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第3章 追い求める心

約束の時間には少し早かったので、
蒼太は駅の改札口が見える
待ち合わせ場所とは違う喫茶店で
コーヒーを飲んだ。


改札口を目をこらしながら
出てくる女を目で追った。

期待に胸を膨らませて人を待つというのは
時間がとても長く感じる。
10分ほど早くこちらに着いたのだが
約束の時間までの10分が一時間のように感じた。


伝言板にはスリム体型で
オレンジのワンピースを
着てくるということであった。

オレンジ色は蒼太の好きな色だ。
出会う前からマッチングしそうな気がした。

しばらくするとそれらしき女が
改札を抜けて
待ち合わせの喫茶店へ向かいはじめた。

『やべえ！めちゃくちゃいい女じゃん！』

たぶん、その女性が目的の女に違いない。

スリム体型と言っていたから、
てっきり痩せぎすの女を想像していたが、

オレンジ色のワンピースの女は
出るところは出て、
へっこむべき所は綺麗にへこんでいた。

モデル並みのスタイルに蒼太の心は弾んだ。

『こんないい女が出会い系を利用するなんて
旦那に不満でもあるのかな？
それとも俺みたいに刺激が欲しいのだろうか？』

もし自分を気に入ってもらえて
ベッドインしたならば
すぐさま逝かされてしまうかもな…
そんな思いが沸き起こってくる。

｢おっと、いけねえ…あまり待たせちゃ悪いな｣

蒼太は清算を済ませると
慌てて待ち合わせの別の店へ急いだ。