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早熟桃の発情期
第16章 夏の終わり
会計が終わって拓斗の母親がクリニックの玄関を出る。
そこで桃香と出くわす。
Tシャツとショートパンツで、むっちり太めの太ももが人目を惹く。

桃香はお使いの帰りで、スーパーのレジ袋を抱えている。
クリニックの2階と3階が桃香の家だ。

「桃香ちゃん、久しぶりね」
拓斗の母親が話しかける。

「お身体、悪いんですか?」
拓斗の母親がクリニックから出てきたので、桃香の口調は心配そうだ。

「大丈夫よ。 桃香ちゃんのお父さんには、過労だって診断された」

「お身体をお大事にしてください」
桃香がぺこりと頭を下げる。

やはり、拓斗に似つかわしくない、聡明な女の子だ…拓斗が将来、こんな女の子と結婚したらいいのに…
と拓斗の母親は思った。

そして、拓斗の母親は言う。
「明日、拓斗が日本に帰ってくるわよ。 また、拓斗と遊んでね」

「はいっ!」
桃香が満面の笑みを浮かべる。

拓斗と桃香が二人の時に何をしているのか、拓斗の母親は知らない。
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