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第16章 夏の終わり

自分は婦人科医、こんな事例は過去にもたくさん見てきた、だから落ち着け…
桃香の母親は、自分に言い聞かせる。

でも、自分の娘を相手にするのは、やはり平常心を保ちづらい。

拓斗の母親から報告を受け、おおよその事情を把握した桃香の母親。
休診中の診察室で桃香に尋ねる。
「拓斗くんとはいつから性交してるの？」

「７月から」
小さな声で答える桃香。

「避妊具無しの性交は？」

「２回」

「いつ？」

「キャンプの時と今日」

「キャンプの時は１週間前からピルを飲んでたけど、今日は全く避妊をしなかったのね？」

「うん」

「これを飲みなさい。　緊急避妊薬だから」