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夜の蝶の物語
第4章 いたぶられる咲桜(さくら)
『若いっていいわね…』
リリーさんは
跳び跳ねるように事務所を出ていく
咲桜(さくら)さんを
羨望の眼差しで見送った。
咲桜(さくら)さんは
事務所きっての人気者だった。
送迎車に乗り込むや否や
咲桜(さくら)はショルダーバッグから
セーラムの箱を取り出し、
一本抜き取るとジッポーで火をつけた。
「いいんですか?咲桜さんは未成年でしょ?」
お堅い稲本がさりげなく咲桜に注意した。
「私、もう18だよ
おまんこだってバンバンするし、大人だよ?」
いや、そういう意味じゃなく…
稲本は言葉にするのもバカバカしくなって
口を閉ざした。
生活苦のためや借金返済のために
風俗に駆け込んでくる女は多い。
その反面、ペニスをしゃぶるのが好きで
実入りの良さに惹かれて
自分で飛び込んでくる女もいる。
咲桜(さくら)は完璧に後者のタイプだった。
ふう~っと紫煙を吐き出すと、
車内はたちまち白く靄った。