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夜の蝶の物語
第6章 エピローグ

食事が進みワインも頂くと
お互いにうち解け合い
近況を話し始めた。


「ところで…あのデリヘルのお店…
失くなっちゃったんですね
久しぶりに貴女のお世話になろうと電話したら
繋がりませんでした」

そうなんです。
恵美はお店が潰れた経緯を話し始めました。



かなり繁盛したお店だったんですけど、

まず、売れっ子の咲桜さんが
離脱したのが大きかったんです。

彼女、SM嗜好のお客さまに
飼い慣らされてしまって…

趣味と実益を兼ねた
SMクラブに行ってしまったんです。


それだけではありません。

リリーさんという
地味な30代の方がいたんですが、

彼女のご贔屓さんが自殺しちゃいまして…


病気の悪化と金銭面での生活苦が
原因なんですけど
事務所の方に警察の方が来られましてね…


ほら、こういったお仕事は警察が来ると、

なにか悪いことをしていたんだろうって
噂になっちゃって、

あっという間に閑古鳥が鳴き始めてね。


おまけにリリーさんと
女の子を送迎する稲本さんという方が
駆け落ちしてどこかへ行っちゃうし…

女の子が一人抜け、二人抜けしちゃうと
次々とよその事務所に移ってしまって
ついには閉鎖しなくてはならなくなって。


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