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女流作家~君を愛すればこそ~
第2章 桐子の初体験
ホテル代も支払わずに
男は部屋のドアを開けて飛び出した。
ホテルの従業員が
「お客さん!帰るのなら
代金を支払って下さいよ」と
すごい剣幕で部屋に飛び込んできた。
「彼が支払ったんじゃないんですか?」
そう尋ねると
「受付で制止をかけたんだけど
私の腕を振りほどいて出ていったわ
あんなのと付き合うとろくなことがないから
さっさと別れたほうがいいわよ」
と桐子に諭してくれた。
ラブホの支払いをしながら
男なんて懲りごりだわと桐子は思った。
それ以来、桐子は文章で
男女の甘いロマンスを書き綴るようになった。
現実よりも
紙面の中でのロマンスの方が
桐子には似合っていた。
理想の男と
理想の女…
紙面で若い男女が
桐子の望む恋愛を繰り返していた。
そんな訳で
ロストバージン以来、
桐子は男に抱かれていない。
そして、ロストバージンをしてから
二度目のセックスを
担当者の菱沼と迎えようとしていた。