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女流作家~君を愛すればこそ~
第11章 雅彦と芳枝
「くそっ!暑いじゃねえか!」
雅彦はむしゃくしゃしながら
家路へと足を運んだ。
いつも通う馴染みのホステスと
一発やらせてもらおうとしたら
「私を抱きたいんなら
ビィトンの財布を買ってよぉ」と
おねだりしてきた。
『冗談じゃねえ、タダでヤレると思ったのに
そんな金を貢ぐぐらいならこっちからお断りだ』
あんな女は掃いて捨てるほどいるっていうんだ。
それにしても心はムラムラしたままだ。
こうなりゃ久しぶりに
芳枝と一発やることにするか…
部屋に帰りつくと、
もう日暮れだというのに部屋の灯りもつけずに
芳枝はベッドに伏せていた。
窓を開けて扇風機を回しているものの
そんなものでは蒸し暑さは解消しない。
「おいおい、どうしたんだ?
蒸し風呂じゃねえか」
雅彦は窓を閉めてエアコンの電源を入れて
「急冷」をスイッチを合わせた。
心地よい冷風が体を撫でて
汗ばんだ体をサラサラにしてゆく。
「あら…あなた、お帰りなさい…」
いつもなら
女のところに行っているのがわかって入るので
冷たく突き放すような出迎えの言葉が
今夕はなぜか艶かしい。
おまけに半裸に近い姿で寝そべる芳枝に
雅彦は久方ぶりに欲情した。
「なあ、久しぶりにどうだ?」
そう言って芳枝に抱きつくと
「私もあなたがほしかったの」と
汗でしょっぱい首筋に芳枝は舌を這わせた。