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女流作家~君を愛すればこそ~
第8章 帰国

苦労しながらも
何とか桐子をベッドに寝かすことができた。

「貴女も早くパジャマに着替えた方がいいですよ
貴女の方こそ風邪をひいてしまいます」

「いちいちトランクを開けるのが邪魔くさいのよ
いいのよ、このままで」

人の意見を素直に聞けない女だと
内心カチンとしながらも
「とりあえずこれを羽織ってください」と
晃は自分のパジャマの上着を脱いで
彼女に羽織らせた。

「いいのよ!放っておいてよ!」

晃の手を払い除けようとしたが
酔っているのでバランスを崩して倒れかけた。

「おっと!危ない!」

彼女の体を支えようと、
とっさに伸ばした晃の手は
思いがけずに城島節子の胸を
抱きかかえる体制になってしまった。

「ちょ、ちょっと何するのよ!」

非難の声を上げたがさほど嫌がってはいない。
おまけに晃を睨み付けた目は
メガネをしていないので焦点が定まらず、
色気が充満していた。

その色気に晃は思わず城島節子を抱きしめた。

そこにいるのは高慢ちきな城島女史ではなく
色気たっぷりの一人の熟女だった。

「やめなさい!
先生が目を覚ましたらどうするの!」

彼女は声を荒げたが
桐子はびくともせずにイビキをかいていた。

晃自身も『俺は何をやってんだ?』と
おもっているのだが自制心の外れた肉体は
ただひたすらに女体を求めていた。
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