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女流作家~君を愛すればこそ~
第2章 桐子の初体験
桐子は中高一貫の女子校に通い、
大学も女子大だったので男性経験が乏しい。
乏しいというだけで、未経験ではない。
あれは女子大の二回生だった時だ。
合コンというものが流行っていた。
桐子の友人が数合わせに
是非とも参加して欲しいと
桐子にお願いしてきた。
合コンというものに興味があった桐子は
二つ返事で快諾した。
狭い居酒屋の個室に
男女6人が肩を寄せ合うように座った。
成人式も済ませていない桐子たちに
男たちはしきりに酒を勧めた。
ビールは苦くて呑めなかったが、
サワーという飲み物は甘くて口当たりがよく
ゴクゴクと女性たちは呑んだ。
やがて部屋の景色がグルグル廻り始め、
片っ端から女の子たちは酔いつぶれた。
微かな意識の中で
男たちがじゃんけんをしていたのを覚えている。
一人、二人と、女の子は
じゃんけんで勝ち抜いた男の順番で
店から担ぎ出されるように連れ出された。
『これが、お持ち帰りというやつね…』
意気投合してラブホに連れ込むのが
お持ち帰りなのに
そういった言葉だけが独り歩きしてしまい、
男に連れ去られる事を「お持ち帰り」だと思い
桐子たちはトレンドの仲間入りしたと勘違いした。