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女流作家~君を愛すればこそ~
第9章 新しい愛の形

疑惑が確信に変わった。
怒りで体がブルブルと震えてくる。

そこへなにも知らずに晃が帰宅してきた。

玄関のドアが開く音がする。

桐子は慌てて散らかしたゴミを
再びゴミ箱に戻した。

『どうする?詰問すべきだろうか?
それとも…』

そこへなにも知らない晃が
「桐子、今帰ったよ。どこにいるんだい?」と
桐子の姿が見えないので探し始めたようだ。

「ここよ、寝室よ」

その声を聞き付けて晃が寝室に入ってきた。

「どこにいるのかと思ったよ
やっぱり時差ぼけ?、もう一眠りするのかい?」

そのように尋ねる晃を制して
桐子は晃に抱きついた。

「おいおい、どうしたんだい?」

「あなた…抱いてください…」

この男は私だけのものなんだ!
節子さんには渡さない!
桐子は晃のイチモツを強く握りしめた。

『何も見なかったことにしよう
ただ一度の過(あやま)ちと
私の胸に閉まって置けば良い。
波風を立てることはない。
夫と節子さんのわだかまりが溶けたのだから
それでいいと思わなければ…
だけど、この男は私のものよ
節子さん、あなたに渡さないわ!』

「ちょっと待ってくれよ。
君までいったいどうしちまったんだい?」

君まで?
今、君までと言った?

やっぱり昨夜、私が寝ているのをいいことに
節子さんが夫にモーションをかけたのね?

桐子の胸に嫉妬の炎がメラメラと燃え上がった。


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