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女流作家~君を愛すればこそ~
第9章 新しい愛の形

「これでもシラを切る気?
まさか私の寝姿を見て
オナニーしてたなんて言わないよね?
このティッシュの量は一発や二発じゃないよね?
中学生じゃないんだから
妻の寝姿で何発もオナニーできるほど
純情じゃありませんものね」

マシンガンのように桐子の言葉が胸に突き刺さる。

「聞いてくれ桐子!
これはちょっとした過ち(あやまち)なんだ!」

桐子の罵倒が聞くに耐えなくて
晃は桐子の口を手で押さえた。

少し黙ってくれないか?
そう思っての行動なのだけれど
桐子は驚いたように目を見開いて晃を睨んだ。

離しなさいよと桐子が暴れる。

それを阻止しようと晃の手に思わず力が入る。
そうすると余計に手を離して!と桐子が暴れる。

まるで負の連鎖が次々とやってくる。

そのうちバランスを崩した二人は 
ベッドに倒れこんだ。

受け身を取ろうと、
晃の手が桐子の口元から離れた。

その間隙をぬって「誰か!助けて!!」と
桐子が悲鳴を上げた。

冗談じゃない!
隣近所に聞こえるだろ!

防音設備はしっかりと施工して貰ったはずだが
隣近所が勘違いして
警察沙汰になったらどうするんだよ!

「桐子!俺が悪かった!
全てを話すから
ちゃんと理由(わけ)を聞いてくれ!」 

一度、シラを切りとおそうと考えた夫の言い分など
聞きたくもなかった。

「出ていってよ!
二度とあなたの顔なんて見たくもないわ!!」

こうなってしまうと
距離をおいて冷却期間を作る他なかった。

「わかった…出ていくよ…」

晃はユラリと立ち上がると
荷物をまとめるために桐子の寝室を後にした。

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