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女性アイドルDJを犯す!
第11章 新たな旅立ち
「おはようございます
今朝も早くからご機嫌さんでぇ~す」
早朝5時だというのに
二流芸人の滝川のハイテンションな声が
マイクレベルを振り切りそうに響く。
『きっとこいつは寝起きではなく
昨夜から寝ないで
この番組に臨んでいるんだろうな…』
ディレクターの白川は、
どうぞご勝手におやりくださいと
気合いの入っていないキューサインを
ブースの中の滝川に出した。
「では、今朝の一曲目に参りましょう
夏美さんのデビュー曲『ねえ、抱いて』です
これを聴いてテンションアゲアゲで参りましょう!」
マイクをオフにしてCDに切り替えると
ブースの中から芸人の滝川が
「ねえ白川さん!またこの曲?
こんな一発屋の歌手の歌なんかやめましょうや」
明らかに不満げに頬を膨らませて文句を言った。
それからは滝川のテンションが一気に下がり
声にも張りがないし、散々な番組になった。
「わかってるんだ、わかっているんだけど
俺が応援してやらなきゃ夏美が可哀想だ」
放送が終わると滝川は一人で廊下のソファで
ぼんやりと座っていた。
白川は自販機でコーヒーを二本買うと
一本を滝川に差し出した。
「さっきはすまなかった」
声をかけると、驚いたように滝川は白川を見て
「いえ、俺の方こそすいませんでした」と
頭を下げた。