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第11章 新たな旅立ち

「さあ、お風呂にお湯が溜まったわ
どうぞお先に温まってくださいな」
夏美がそう言うと、
「せっかくだから…
一緒に入らない？」と
本気か冗談かはわからないが
白川はそんなことを言い出した。

『きっとこれは彼なりのジョークなんだわ』
それならばこちらだって言い返してあげようと
「そうね、その方が手っ取り早いわよね」と
脱衣する振りをしてあげた。
「ほんと？ホントにいいのかい？」
待って、待って！
俺が脱がしてあげるよと
白川は夏美のセーターを脱がそうとした。
『えっ？冗談じゃなくて
本気で一緒に入浴しようと言ったの？』
今度は夏美が「待って、待ってよ」と
白川の手を制した。

「マジで？一緒に入るの？」
「マジだよ、君だってたった今
その方が手っ取り早いって言ったじゃないか」
さあさ、早く脱いじまえよと
夏美の制止を振り切って夏美を裸にして行く。

『どうしよう…』
今までいろんな男に服を脱がされて来たけれど
腹立たしいというか、怒りこそあれ
こんなにも恥ずかしくて
ドキドキするのは初めてだ。

今までの男達と違って
白川は服を脱がすのがぎこちない…
おまけに、手が小刻みに震えているものだから
ブラジャーのホックを外すのにとても手間取った。