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キャンバスの華
第2章 女流画家
さて・・・・
上京してみたのはいいけれど
どこへ行けばいいものやら・・・・
どなたかの画家に
弟子入りするのが良いのだろうけど
急遽、上京したものだから、
どんな画家がどこに住んでいるのやらも
何ひとつ下調べせずに来てしまった。
『そうだ!俺が感銘を受けたあの銭湯の壁画!!
あそこへ行けばあの画(え)を描いた人が
わかるかも!』
その人に弟子入りしよう!
次郎の心は霧が晴れたように澄み渡った。
。。。。。。。。。。。。。。。
この家にあの絵を描いた画家が・・・・
銭湯で絵を描いた人を尋ねると
案外とすんなりと教えてくれた。
土地勘がない次郎にとって
教えてくれた住所を訪れるのは
けっこう骨を折る仕事だった。
「ごめんください」
玄関から声をかけてみたけれど
返事は返ってこない・・・
留守なのか?
そう思いながらも念の為に
引き戸に手をかけてみると
鍵がかかっておらず、すんなりと戸が開いた。