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キャンバスの華
第8章 別れ、そして新たな旅立ち
「ああ・・・嬉しい・・・
こうやってあなたの腕の中で旅立てる・・・
次郎さん・・・」
華の呼吸が荒く苦しそうだった。
「わかったから、もう喋んなくていいから!
俺はずっとここにこうして華のそばにいるから」
涙が溢れて止まらなかった。
やがて華の呼吸が弱々しくなってゆく
「逝くな!!華!
俺を置いて逝かないでくれ!!」
「じ・・ろ・・さ・・・・・ん・・・・
あな・・た・・には・・・・
待っ・・てる・・・人が・・・・いる・・・ か・・え・・・って・・・・
あ・・・・げ・・・な・・・・きゃ・・・・」
少しずつ華の言葉が聞き取れなってゆく・・・
「華~~~!!!」
微かな声で華が最後に言った言葉・・・
「あ・・い・・・し・・・て・・る・・・」
その言葉を残して華は逝った
次郎は華への思いを込めて
死化粧を施した
華というキャンバスに・・・・
完