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夢の異邦人(エトランゼ)
第2章 サブマネージャー大牟田

「あっ、気がつきましたか?
いや、その、意識がなかったので
心臓マッサージを…」

有里が気付いたにもかかわらず
胸から手を離そうとしない。

いや、それどころか、
さらに力を入れて強く胸を揉み始めた。

「あの、もう大丈夫ですから…」

有里は大牟田の手を拒み、体を起こそうとした。


「ダメダメ!頭を打っているんだから、
もう少し横たわっていなさい!」

大牟田は、有里の体に馬乗りになって
自由を奪うと、再び胸を揉み始めた。


「そうだ!意識を失っていたから
酸欠になっているかもしれません。
人工呼吸をしてあげましょう」

そう言うなり有里に体を覆い被せてきて、
暖房でカサカサに荒れた唇を、
有里のリップで濡れた唇に押し当ててきた。


「いや!…んん…んぐっ…」

大牟田の荒れた唇が開き、
やけに長い舌が有里の唇を舐め回す。

長い舌は唇だけでは飽き足らず、
有里の鼻や頬を舐め、
汚らしい唾液で汚してゆく。

『いや!いや!いや!!』

拒もうとした。いや、心では拒んでいた。

なのに体は…

有里は自分自身驚いてしまった。
自ら微かに唇を開き、
かわいい舌をのぞかせて
大牟田の舌を招きいれようとしていた。

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