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夢の異邦人(エトランゼ)
第11章 同棲生活
「あなた!これはどういうことなの?」
有里の剣幕に有紀も自分の部屋から飛び出して
義孝の寝室を覗いた。
「パパもママも何をしてるの!
こんな淫乱な親に育てられたのかと思うと反吐がでるわ!」
「ママもって?」
義孝は怪訝な表情で有里の顔を見つめた。
「私の事はどうでもいいのよ!」
ヒステリックに有里は叫んだ。
あらあら、修羅場ね…
留美子はそっとベッドの中から手を伸ばして
下着を掴むとショーツを履き始めた。
ベッドの布団の中でモゾモゾと動く正体を見極めようと有里は布団を引き剥がした。
「きゃっ!」
かろうじてショーツを身につけていたものの
半裸を見られた留美子は体を丸めて恥ずかしがった
「何を今さら!
あなたは誰よ!」
顔を真っ赤にしている有里、ベッドに背を向けて
現実を見たくないとする有紀。
そんな二人をとりなすかのように
「違うんだ、これはちょっとした過ちなんだ」と
必死に言い訳を探そうとする義孝。
そんな動揺する家族に対して
留美子だけが冷静に
「私が誰だって?そんなことはどうでもいいでしょ、ご覧の通り私は課長とデキてるの
それだけよ」
開き直る留美子に、彼女が脱ぎ捨てた衣服を汚いものでも拾い上げるように有里は指先でつまみ上げると、留美子に目掛けて投げ捨てた。
「服を着て!さっさと出ていってよ!」
それだけ言うと有里は泣き崩れた。