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夢の異邦人(エトランゼ)
第11章 同棲生活

「私もこの家を出ていきます!」
泣きながら有里は義孝に迫った。

「何だよ!俺一人だけ悪者にしやがって!
ああ、いいとも、出ていけよ!」
腹立ち紛れに地団駄を踏みながら義孝が売り言葉に買い言葉で、別居を申し出た。
下着も履かずに、いつしかペニスは萎れて
ブラブラさせながら怒りだす義孝が滑稽だった。

「じゃあ、私も出ていくわ」
これ幸いと有紀も家を出ていくと言い出した。

「有紀は残りなさい、このスケベ親父の面倒を見なさい」
心の片隅に別居後の義孝の世話が気になった有里は
有紀に残ることをお願いした。

「嫌よ!どうせまたあの女を連れてくるに決まってるわ」
留美子をダシにして家を出て淳一の元に行きたいという企みがあった。

「ちょっと待ちなさい、あなた、行く宛てもないでしょ?」
有紀までもが家を出ると言い出したことで
有里は少しずつ冷静さを取り戻しつつあった。

「私、黙っていたけれど彼氏がいるの
だから彼と同棲するわ」
これで堂々と淳一と暮らせると
修羅場の中で有紀一人がルンルンだった。

「同棲なんてパパは許さないぞ」
頬のひとつでも張り倒してやろうと義孝は有紀に近づこうとした。
「チンポをブラブラさせながら言われても説得力なんてないわよ」
義孝のペニスを眺めながら有紀は悪態をついた。

義孝の股間のものを見つめても
頬ひとつ染めない娘に、すでに経験済みなのねと
有里は嬉しいような悲しいような複雑な気分だった。
そしてベッドの片隅に落ちている義孝のパンツを拾い上げて「みっともないから履いて頂戴」と義孝に手渡した。

それを邪魔くさいとばかりに投げ捨て「よし、じゃあ、今から好きなように生きていくがいいさ、浅香家はこれにて解散だ!」言い捨てると義孝はバスルームに逃げ込んだ。



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