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夢の異邦人(エトランゼ)
第4章 バイトチーフの矢野くん

夫に久々に逝かせてもらった翌日。

私は購入してから
一度も履いていないTバックを着用し、
昨日よりもさらに短い
ローライズのジーンズを選んだ。

そして、 いつも以上に念入りに化粧を施した。


勤務するお店に一歩ずつ近づく度に、
股間のクレヴァスの潤いが増してゆく。

『今日も、大牟田さんに
気持ちよくしてもらおう・・・』
夜は夫に愛され、
昼間は大牟田さんに逝かせてもらう…
私は女として充実した日々を過ごそうと
心も体もウキウキしていました。


ロッカールームで、
例のピチピチTシャツに着替え、
胸をときめかせて廊下を歩いていると、
バイトチーフの矢野くんに呼び止められた。


「浅香さん・・・でしたよね?」

「はい」

「大牟田さんから
浅香さんの面倒を見るように言われています」

「えっ?あの・・・大牟田さんは?」

「大牟田さん、夕べ階段を踏み外して
捻挫しちゃったらしんですよね」


ショックだった。

あの官能的なひとときを期待していたのに・・・

「浅香さん、そんながっかりした顔
しないでくださいよ」

矢野が有里の顔を覗きこみながら声をかけた。


「いえ、そんな事ないですよ」

努めて笑顔で返答したつもりだが、
目には隠しきれない翳りがあった。

「ダメダメ、浅香さん目が死んでますよ」

そう言ってケラケラと笑った。


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