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夢の異邦人(エトランゼ)
第5章 部下がスケベなら店長もスケベ
「浅香さん・・・でしたよね?
まあ、あなたも座ったらどうですか?」
店長に促され、
有里も近くの椅子に腰を下ろした。
「大牟田君、前にも言ったでしょう。
その女ぐせの悪ささえなければ、
君は今頃、私を追い抜き、
店長にもなりうる逸材なのだと」
店長に叱られ、
大牟田は「はあ…」と小声で頷き、
体を小さくした。
「ところで、
それほど、この女の具合はよかったんですか?」
「ええ、そりゃあもう」
2人のやり取りを聞いて、
私は自分の耳を疑った。
この2人は…何を言い出すの?
「どれ、では私も
彼女の味見をさせていただくとしますか」
そう言い終わらないうちに、
店長は立ち上がり、
素早く私の胸に手を伸ばした。
「きゃっ!な、何をするんですか!」
店長の手を払いのけ、
立ち上がろうとしたが、
いつの間にか背後に回った大牟田が
私の肩を押し付け、
椅子から立ち上がれないようにした。
「大牟田さん!やめてください!
助けてください!!」
大牟田に哀願したが、
当の大牟田はニヤニヤしながら
有里を見下ろしていた。
「浅香さん、がんばって。
店長に認められれば、
正社員雇用も夢ではありませんよ」
やさしい口調とは裏腹に、
肩を押し付ける両手は、さらに力強さを増した。