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夢の異邦人(エトランゼ)
第1章 夢の異邦人(エトランゼ)
しばらくすると店長室のドアがノックされ、
長身に長髪の青年がやってきた。
「大牟田君、彼女が今日からパートとして
勤務していただく浅香有里さんです。
浅香さん、彼がさきほどお話した
サブマネジャーの大牟田くんです。
彼によく指導していただき、
1日も早く仕事に慣れてくださいね」
「はい、がんばります」
店長に深々と頭を下げたあと、
大牟田へ向き直り
「どうぞ、よろしくお願いします」
と頭を下げた。
「ああ、よろしく」
客商売のサブマネジャーにしては
やや無愛想な返事を有里に返し、
「じゃあ、仕事を教えるからこっちに来て」
と言ってサッサと部屋を出て行った。
「あっ、待ってください」
有里は店長に再度頭を下げ、
あわてて大牟田の後を追いかけた。
「早く、こっちですよ」
大牟田はロッカールームの前で
仁王立ちして有里に早く来るように促した。
小走りで大牟田の元に駆け寄った有里に
冷たい視線を浴びせながら
「ここがロッカールームです」
と説明し、 中へ入りなさいとばかりに
有里の背を手で押した。