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夢の異邦人(エトランゼ)
第1章 夢の異邦人(エトランゼ)
「あなたのロッカーはこちらです」
女子ロッカールームであるにもかかわらず、
大牟田はズカズカと入室し、有里を案内した。
『この時間、誰も着替えていないのは
わかっているけど、
声もかけずに入室するなんて…』
有里は第一印象から
この大牟田を、いけ好かない奴と思っていたが、
ロッカールームに声もかけずに入室する彼を
ますますイヤな奴と思った。
「さあ、これがあなたのロッカーです。
出勤したらここで着替えてください。
そして…これが、あなたの制服です」
ロッカーを開けて、
中からすでに用意してあったTシャツと
エプロンを有里に手渡した。
「あいにく、フリーサイズのTシャツの
在庫を切らしていましてね。
それはイベント時に
コンパニオンに着用してもらう
Tシャツなんですけど…
見たところ、あなたはスタイルがいいので
そのシャツでも大丈夫でしょう」
そう言ってつま先から頭のてっぺんまで
舐め回すように見つめた。
「じゃあ、着替え終わったら
出てきてください。
私は外の廊下で待っていますから」
大牟田は最期にもう一度有里の胸に目をやり、
ニヤッと笑いながら退室していった。