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おうち時間
第2章 床の上で
「ひゃああっ…!」

先程よりもさらに強い刺激に思わず声を上げてしまう。
ダイヤルを弱に戻し、また自らの身体に押し付けた。
今度は今までよりも勝手がわかる。
Tシャツ越しに胸の先にもローターを滑らせた。

「…っあ、や……」

紗希の身体は貪欲に快感を求めていく。
胸からお腹、そして、未だ熱く潤う其処へとローターが滑る。

(さっきのより、もっと…すごい、の……)

紗希は目を瞑り、隣人のベランダでの行為がどのようなものであったのか想像しようとした。
耳に残る、ねっとりとした水音と、淫秘な響きを湛えた喘ぎ声。
いつの間にか、それは隣人ではなく、紗希自身がされているものへと置き換わっていた。

(…ダメ、よ……下から見えちゃう……!)

自分の素肌が外気に晒され、爽やかな空気の中、口では拒否しやがらもベランダで性行為に耽る。

そんな妄想が加速して、手の動きが速くなる。
物足りなさにダイヤルは再び中に戻した。
低い振動音に混じって、ぐしゅ、ぐしゅ、と泡立つような水音が響く。

(い、気持ち…い…!こ、んな…知らな……あっ、あっ、あ、もぅ…も……だ、めぇ………)

押し寄せる未知なる快感に瞑った目の端から涙が溢れる。

「あ、ああ、っあ…んっ……や、ああっ……!」

一気に快感が身体を駆け抜けた。
ガクガクと足が震え、頭の中が真っ白にスパークした。
身体の力がフッと抜け、腰回りに温かいものが広がった。

(あ……でちゃ、った…)

紗希は満足気に、ふーっと、長い息を吐いた。


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